犯罪被害給付制度と高額療養費
先週見たTV番組の話題を今頃で恐縮なんですが、その内容がFPとしてあまりにも気になったので書いてしまいます。その番組は日テレの「ザ!世界仰天ニュース」の「宇都宮猟銃発砲事件 被害者の悲劇」という話題です。この番組は息子が好きでよく観ているようですが、私は滅多に見ないので、番組の雰囲気や流れなどはよく分かりません。このコーナーだけを観ての意見になるので、誤解や思い違いがあるかもしれませんがご了承ください。放送内容は、宇都宮市で2002年に起きた散弾銃による殺人事件で、たまたま目撃した隣家の主婦が撃たれて重傷を負い、一命は取り留めたものの、頭部などに散弾が100発近くも取り出せないまま残ってしまい、左目も眼球摘出、半身不随と言語障害の後遺症があるとのことです。誰もが犯罪被害に遭う可能性があるということを気づかせてもらえたり、ご主人の献身的な介護に心を打たれたり、ほとんどの部分は共感し感動することが出来ました。しかし、手術費や入院費で120万円の請求や、1ヶ月の請求額が70万円や、介護保険の対象でなかったので家の改築費や医療費で1500万円もの出費になったなどの情報は視聴者に誤解を与えるのではないでしょうか。VTRのあとで日本の犯罪被害者に対する補償の充実を求めていました。たしかに、犯罪被害者に対する補償は充分とは言えないと思いますが、現行の補償制度を正しく伝えずに、批判のみを行うのは、被害者救済の意味からも逆効果ではないでしょうか。ひとつ一つ検証していきたいと思います。
犯罪被害に対しては、被害者は加害者に対して損害賠償を求めるのが基本ですが、宇都宮事件のように加害者が自殺し、その遺族が相続放棄することで、請求できないことや、加害者側に賠償金の支払い能力がないことが多々あります。以降はこのような場合として考えていきます。
まず、事件直後の手術費や入院費として多額の請求をされたと言うことですが、「警察による犯罪被害者支援ホームページ」によると、犯罪被害給付制度により、犯罪で重傷病になった場合は、重傷病給付金として、1年を限度とした医療費の自己負担相当額が支給されるそうです。(ただし、宇都宮事件の2002年当時は3ヶ月限度だったと思います)さらに、障害が残った場合には、障害に応じて障害給付金が一時金として給付されます。
また、毎月高額の医療費が必要であるということですが、一ヶ月の医療費の自己負担額が一定限度を超えると(所得により限度額は決定される)、超えた部分が払い戻される高額療養費制度があります。また、各市町村には重度心身障害者に対する医療費の助成制度があります。(ちなみに、宇都宮市は所得制限無しに助成が受けられるようです)
介護保険の対象でないのでという部分については、そもそもの介護保険の意味を間違えています。介護保険とは高齢により介護が必要になったときのための制度です。65歳までの方が障害の状態になったときには、国民年金や厚生年金から障害年金を支給してもらうことになります。住宅の改造に対する助成や介護用品の支給は各自治体に問い合わせないと分かりませんが、行っているところが多いと思います。宇都宮市の場合は住宅改造費の助成も紙おむつ等のケア用品の支給もその他の制度があるようです。
知らずに請求しないともらえないというところは問題かもしれませんが、しっかりと請求できるように”知る”ことも大切だと思います。マスコミも”知らしめる”役割を果たすべきではないでしょうか?年金制度をただ批判するだけでなく、老齢年金以外に障害年金にもなるということや、犯罪被害者救済に税金がどのように使われているかを正しく知った上で、よりよい制度を求める必要があるのではないでしょうか?
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