2008/6/23 月曜日

住宅ローンと長期火災保険

カテゴリー: FP — mitsuhiro @ 14:47:53

前回、複利についてのお話を書きましたが、
我々がその力をもっとも感じるのは、
住宅ローンについてではないでしょうか?
今回は、住宅ローンと長期火災保険について考えてみたいと思います。

住宅ローンを借りるとき、
建物部分について、火災保険への加入を義務づけられるのが一般的です。
火災保険の契約期間をローン期間以上にするという条件の住宅ローンもあるようです。
この長期火災保険を一括払いにすると、最高約30%の割引があります。
金融機関で勧められることも多いと思いますが、
果たしてお得なのでしょうか?実際に計算して、検証してみましょう。

まずは、長期火災保険の一括払いについて、
30年契約を一括払いにすると約30%の割引になります。
つまり、年間保険料10万円の火災保険の場合、
30年で300万円の保険料が約210万円で済みます。
しかも途中で解約しても、ペナルティーは殆どなく、
割引保険料の恩恵だけを受けることが出来ます。
これを年利に換算するといくらくらいになるでしょう?
おなじみの6つの係数を使って計算してみます。
使うのは年金現価係数です。
毎回10万円を30年にわたって受け取っているのと同じなので、
210万円の原資で済むには、年利約2.5%となります。
今のような低金利の時代において、確定利率が2.5%というのは
結構お得ではないでしょうか?

一方、住宅ローンはどうでしょうか?
人気の長期固定金利 住宅ローン「フラット35」の金利を3.2%と仮定して、
借入金2000万円の30年ローンを考えてみましょう。
毎月の返済額は、またまた6つの係数から資本回収係数を使って、
現在の額(借入金) 2000万円
利率 3.2%÷12ヶ月=0.267%
期間 30年×12ヶ月=360回
で、
月額約8万7千円になります。

このとき、先ほどの長期火災保険を一括払いせず、
その分210万円のローンを借りずに、毎月当初計画通り
8万7千円の返済をするとどうなるでしょうか?

今度はまた、年金現価係数で、
毎回の額 87000円
利率 0.267%
として、
現在の額(借入額)2000万円-210万円=1790万円
を払い終えることが出来る期間は、
299回÷12ヶ月=約25年
となります。

支払総額はどうでしょうか?
87000円×12ヶ月×30年=3132万円
87000円×12ヶ月×25年=2610万円
その差は、約520万円となります。
借入金に210万円の差があるので、それを差し引くと、
支払利息の差だけで300万円以上となることが分かります。

この差が、2.5%と3.2%のわずか0.7%の金利差の
長期間にわたる複利の力といえるでしょう。

【結論】
「火災保険を長期一括で支払うことは、確かにお得だが、
借りてまで払うほどお得ではない。」

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